2012年09月15日(土) 記事No.1291
久々に読書感想でも。
Vシリーズ10作目にして最終巻。
この記事はS&Mシリーズ全10作、Vシリーズ全10作のネタバレを含むので
できればそれらを読んだ後でお読みください。
さて、最終巻だけに、何か大きな意外性のあることをやってくれるかなと思ったけれど
どっちかっていうと期待はずれだったかなぁ。
推理小説を読む時は大抵
何も考えずに読む時と
ある程度適当に、ほとんど当てずっぽうと言っていいレベルで考える時と
本当に真剣に考える時がある。
大体は2番目、適当に考える事が多いんだけど、今回もその例に漏れず、
適当に思ったことを予想しながら読んでた。
まず、保呂草が犯人じゃないのだろうか。と思った。
最終巻だけあって、保呂草が犯人で終わってもいい気がした。
捕まりさえしなければ「捻れ屋敷の利鈍」との整合性も取れる。
第1巻の犯人が保呂草で
最終巻の犯人も保呂草という終わり方は、割と収まりがいいんじゃないかなっと。
このは、七夏との車の中での会話で、それができる人間は私の知り合いに2人いる。
1人は秋野、もう1人は…の会話の地点でハズレだと思った。
これは俺の個人的なルールが原因だ。
ノックスすら定義して居なかったと思うが
「探偵が途中で絶対にそうだと言ったものに嘘はない」
というルールが俺の中にある。
これにより、瀬在丸紅子が「違う」と断言した物は確実に違うのだ。
(もっとも、これが破られたからといって非難するつもりもないが。)
だが、秋野の他のもう1人というのが瀬在丸紅子自身であったと判明したときに
再び保呂草犯人説が俺の中で浮上した。
1人目は路上なので殺人は簡単だろう。
2人目は保呂草の依頼人。依頼に来たことは偶然であっても、
殺人シーンの前に家に訪ねる描写がある。この時に殺したのではないか。と。
3人目も外なので殺人は簡単だろう。この辺りは保呂草がしばらく物語から姿を消しているので
アリバイもない。
4人目も、保呂草はもう1つの仕事部屋の場所を特定しているし、ピッキングもできるので
これも問題なく殺人可能だろう。
まあ、結局それはミスリードであったが。
(2人目の第一発見者が保呂草であることや3人目殺害の前後で保呂草の行動が書かれていないのが、ミスリードの一部なのだろう。)
次に、秋野が犯人じゃないかと考えた。
実は2巻~10巻(8巻である捻れ屋敷は除く)の時代設定はすべて1巻の前に来て
10巻の後に1巻が来るという流れ。
しかしこれも、林と七夏が過去の事件について振り返るシーンで破綻した。
赤、緑、黒、白の4人の殺人は
実は名前に色が入っている事が基準ではなくて
名前のどこかに「土」があることがターゲットの基準なのでは?と考えた
これは練無の「糸」が入っているなら仲間なのに的な発言がヒントとなった。
だけどこれも4人目が殺された地点で(間違って殺された側も、実際に殺される予定だった側も名前に土はなかった。)破錠した。
結局自分が考えてた中で当たったのは
室生 真弓が犯人であるという推理だけだった。
佐織 宗尊も若干疑ったが、もうここまで来ると
レギュラー陣の善人役以外全員1度は疑ってる事になるが。
ただ、帆山 美澪がペンネームであることは気になっていた。
秋野がやり取りしていた時の「帆山 美澪」もペンネームである。
本名はそう簡単には変わらないが、ペンネームであれば自由に付け替えができる。
だから帆山 美澪のペンネームは自分で付けたものではなく
真犯人が付けたものだろうというのは考えていた。
途中出てきた少女が誰なんだろうというのも考えていた
最初は西之園萌絵かと思ったけれど、その疑問は一瞬で消える。
時代的に考えて 西之園 萌絵にしては年が上過ぎるなぁと思った。
まだ生まれてないくらいではないだろうか。
次に浮かんだのが西之園 萌絵の叔母である。
これは明らかにS&Mシリーズ8巻の影響だが・・・
年齢的にもある程度合うんじゃないかと思った
けれど最終的には違った。
まさにお前かよ!という人物だった。
さて、Vシリーズ10巻全て読み終えたが
個人的にはモロに「四季シリーズに続く」という感じがした。
というわけで次は四季シリーズだ。
元々Vシリーズの全10巻も、S&Mシリーズ全10巻を読み終えた後
四季シリーズが読みたいがために読んだような物なので
やっとここからが、俺にとってメインディッシュだ。