2011年03月16日(水) 記事No.1090
七回死んだ男(西澤保彦)を読んだので感想。


物語のさわり、設定などに関するネタバレはあるけれど、物語に対するネタバレはなし。



友達が「面白いから読んでみ」なんて言って持ってきた本。
読んでみた。面白かった。
個人的には『告白』より面白かった。
けど、こっちの方が面白いと思う辺り、俺って浅い人間なのかなぁなんて気分にもなる。

同じ日を9回ループする体質を持つ主人公が、祖父が死なないように物語を書きかえるという話。
何度繰り返しても祖父が死んでしまう運命に翻弄されるSFミステリー。

全体的に軽いノリ。
SF要素はあるが、しかししっかりしたミステリー。
SF要素部分は最初にしっかり明示されているため、後だしのずるっこ部分は一切なし。
難易度も抜群。
どこまでで気づくかは人それぞれだろうけれど、謎の9割は自力で解けるだろう。
しかし最後の謎だけは多分解けない。
そのバランス具合が絶妙。
自分で気づいたときの爽やかさと、答えを見て分かる驚きの両方が味わえる一品。

物語としてもライトな感じで楽しめる。


「告白」を読んだとき物語の『解答』に対して、あまり驚かない。ぞっとできない部分があって、
戯言シリーズで耐性ついちゃったのかなぁなんて思っていたけれど、そんなことはなかった。
この本はしっかり、ぞっとできる物だった。

オススメの一品です。





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